私は30歳で市役所を辞めて民間企業に転職しました。
「転職しよう」と思い立ってから実際に転職活動を行うまで、どのように進めたらいいのか不安がありました。
その結果、約2年間を無駄にしてしまったので、あなたが同じようにならないために効率的に転職活動を進める方法をご紹介します。
ほとんどの公務員は仕事が忙しいので、転職したくても転職活動に使える時間がないという方が多いのではないでしょうか?
私や私の先輩公務員のように無駄な時間を過ごさないためには転職活動の流れを理解して、効率的に進めることが重要です。
この記事では、公務員の方向けに初めての転職活動の流れを解説します。
私の失敗談を踏まえてご紹介しますので、反面教師にしていただければ幸いです。
事前準備(目安:2週間〜2か月)
ステップ① 自己分析をする
自己分析が必要な理由としては、転職活動の軸をはっきりさせるためです。
現職の不満から転職を決意する人が多いのですが、その不満一つだけが解決できればいいと考えるだけでは、現職で問題なかった点が転職後の職場で問題になることもあります。
そのため、現職の不満だけでなく、現職の良いところも考えてみてください。
考えてみたら、意外といい職場だったということもあるかも知れません。その場合は転職すると「前の職場の方が良かった」と後悔する可能性があります。
私が公務員時代に仲が良かった先輩3人が転職しましたが、3人中2人は転職後の職場と合わなかったため、転職後1年以内にまた別の職場に転職してしまいました。
このことを知っていたため、私はなかなか転職活動に踏み出せずに時間だけが過ぎていきました。
今思えばしっかりと自己分析さえ行えば、自分の求めている職場を見つけることはできるので、それほど難しいことはありません。
よくある現職の不満から考える転職活動の軸は以下となります。
【現職の不満】 【転職活動の軸】
収入が低い → 収入を上げたい
人間関係が悪い → 自分に合った職場で働きたい
やりがいがない → やりたいことに注力したい
残業が多い → ワークライフバランスを充実させたい
希望の勤務地じゃない → 希望の勤務地で働きたい
自己分析の注意点としては、公務員への就職活動時に行った自己分析と同じものではありますが、改めて自己分析する必要があるということです。
なぜなら、当時と今では価値観が変わっている可能性が高いからです。
生活スタイルも当時と今では大きく変わっているはずです。今は結婚して子どもが居たり、遠距離の恋人がいたり、趣味や交友関係も変わっていると思います。
このような環境の変化に伴って、少なからず自分自身の価値観が変わっているはずです。
一度しっかり自己分析を行なっている方であれば、根本は変わらないので自己分析をゼロからやり直す必要はありませんが、自分自身の価値観の変化を思い返す時間は必要です。
実際は全ての不満を解決できるような「休みが多くて残業は少なく年収が高く人間関係も良くて自分のやりたいことが希望の勤務地でできる」という職場にはなかなか出会うことができません。(出会えたら迷わずにすぐ転職してください)
そのため、転職活動の軸に優先順位をつけることが重要となります。
ただし、この優先順位は現段階では確定しなくて大丈夫です。転職活動を進めながら適宜修正が発生するものなので、現段階では暫定的な順位で問題ありません。
参考に私の場合の転職活動の軸は、以下の優先順位でした。
①ワークライフバランスの充実
具体的:残業時間が月20時間以内でテレワーク可能な職場
理 由:子どもが産まれたので、子どもと一緒にいる時間を少しでも増やしたい
②収入を上げたい
具体的:年収520万円以上(公務員時代より月10万円アップ(ボーナス除く))
理 由:マイホームを建てたため、ローンの月10万円分を多く稼ぎたい
③自分に合った職場で働きたい
具体的:チームプレーを重視する職場環境
理 由:公務員時代は良くも悪くも個人プレーだったので、精神的にしんどかった
ステップ② 転職サイトや転職エージェントに登録する
転職サイトと転職エージェントは同じものだと認識されている方も多いのですが、主な違いは以下のとおりです。
ちなみに転職サイトと転職エージェントはどちらも無料で使えますので、両方ともに登録するのをおすすめします。
転職サイトとは
求人情報を掲載しているサービスのことで、その求人情報の中から自分が自由に直接応募ができる
・掲載されている求人数が多いので、自分に合った求人を探せる
・サイトに登録するだけで利用できるので、すぐに利用可能
・興味のある求人があれば、すぐに応募できる
転職エージェントとは
・非公開求人を紹介してもらえる
・専門的な知見を持ったプロから転職に関するアドバイスやサポートを受けられる
私は転職サイトも転職エージェントも両方とも登録しましたが、どちらかと言うと私にとって転職エージェントは必須でした。
転職エージェントとの面談の中で、改めて自己分析ができましたし、自分の条件に合いそうな求人を紹介してもらうことができました。
転職サイトだけでは、非公開求人への応募や履歴書作成などは個人で対応するには限界がありますので、転職エージェントの登録は必須だと考えています。
さらに、転職エージェントでは面接対策をはじめ、実際に面接を受けた企業から面接のフィードバックを教えてもらうことができます。
私が転職活動で最も驚いたのは、自分と転職先が相談して年収を決めるということです。もちろん年収相談にも転職エージェントが間に立ってくれます。私の場合は、転職エージェントのお陰で元々の求人情報に掲載されていた年収から約40万円増えました。(エージェントの方には心から感謝しています)
ちなみに、なぜ転職エージェントがこれだけ手厚いかというと、理由は転職エージェントの報酬の仕組みにあります。
転職エージェントの報酬の仕組みは、求職者が転職に成功すれば、その転職先から求職者の年収の30%〜35%の報酬を得ることができます。
仮に600万円の年収で報酬が30%の場合は、180万円が転職先から転職エージェントに報酬が入ることになります。そのため、年収を少しでも上げることができれば転職エージェントの報酬にも繋がるので、年収アップは求職者だけでなく、転職エージェントにとってもメリットがあります。
もちろん最終的に年収アップを認めるかどうかは転職先が決めることなので、100%年収アップになるかはわかりませんが、内定者が「年収をもう少し上げてもらえませんか?」とは言いづらいですよね?
言いづらいことを別の誰か(転職エージェント)に言ってもらうことで、可能性が広がります。
企業分析、応募&選考(目安:1〜2か月)
ステップ③ 企業分析をする
転職サイトで興味を持った企業や転職エージェントから紹介された企業が、ステップ①自己分析で決めた転職活動の軸と合っている企業か調べてみることが大切です。
自分が知らないだけで面白そうな業界や企業はたくさんありますので、興味がない企業も一度は調べてみることをおすすめします。
調べ方としては、企業のHPや口コミサイトを閲覧してチェックしてみましょう。
私は最初に自分の知っている知名度のある企業のみチェックしていましたが、徐々に知らない企業も調べていきました。中小企業も面白い仕事をしていたり、大手企業でも意外と待遇が良くなかったり、さまざまですので、自分の知見を広げるためにもぜひたくさんの企業を調べてみてください。
ステップ④ 履歴書や職務経歴書を作成する
応募する企業が決まったら、応募先の応募条件に合わせて実際に履歴書や職務経歴書を作成していきます。
暫定的でも履歴書や職務経歴書が完成したら、担当の転職エージェントに添削してもらいましょう。
初めて転職用の履歴書や職務経歴書を作成した場合には、なかなか上手く書くことはできません。
そのため、60点程度のレベルのものが作成できたら、担当の転職エージェントに添削してもらい、徐々に完成度を上げていきましょう。
ステップ⑤ 面接を受ける
転職時の面接は、ある程度質問される内容は決まっていますので、最低限以下の内容は答えられるように事前に対策が必要です。
・自己紹介
・自己PR
・転職理由
・志望理由
・現職の業務実績
・逆質問
転職エージェントにお願いすれば模擬面接を受けられますので、ご安心ください。
昨今の状況からリモートでの模擬面接が主流になっていますので、場所や時間に縛られずに受けられますね。
内定・退職手続き(目安:1〜2か月)
ステップ⑥ 内定後、給料などの待遇を確認する
内定が出たら、給料を含めてステップ①で決めた転職の軸に合っている企業なのかを再確認する必要があります。
当初募集していた待遇だけではわからなかった労働条件(実際の勤務地や役職など)を内定先の人事や転職エージェントに確認を行い、ステップ①で決めた転職の軸に合っている企業かどうかを見極めてください。
内定が出てからも労働条件の交渉は可能なので、直接内定先に直接言いにくい場合は転職エージェントに代わりに交渉してもらうことも可能です。
ステップ⑦ 現職を退職する
法律的には退職願はいつ提出しても良いこととなりますが、1か月以上前に提出することが望ましいです。
私は8月に内定をもらったため、上半期が終わる9月末に市役所を退職し10月から民間企業で働くことにしました。
内定のタイミングによっては、退職が現職の繁忙期と重なる可能性もあると思います。
その場合は、内定先に相談して内定先に就職する時期を遅らせることもできます。
直接内定先に直接言いにくい場合は転職エージェントに代わりに交渉してもらうことも可能です。
また、退職を公表したら、上司や人事から止められることがあると思いますが、自分で決めたことだからと言い切ることが重要です。
今後の自分のキャリアや生活を大切にしましょう。
私も実際に退職が決まってからは、先輩や上司から止めれて、かなり心が揺らぎましたが、今後の自分のキャリアや生活を考えて転職することを決めました。
まとめ
転職活動の流れは、①事前準備、②企業分析、応募&選考、③内定・退職手続きに大別されます。
転職活動の期間は、3〜6か月程度必要です。また、急ぎすぎも時間をかけすぎも注意が必要です。
自己分析で決めた転職活動の軸を大切にして、転職活動を進めれば転職が成功する可能性が高くなります。
転職エージェントを使うことで、内定後の待遇や労働条件も内定先に相談しやすくなります。
この記事があなたの転職活動のお役に立てれば幸いです。
転職活動が成功するように心から願っております。
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